●MO
『ラッカは静かに虐殺されている』
ISに占拠された街ラッカに住む若者たちが、facebookなどSNSを用いてISと戦う姿を収めたドキュメンタリー映画。
ISがハイクオリティなメディア戦略で自分たちの活動を美化することを非難しているが、そもそもこの映画の善悪の脚色も一つの作られた物語だよな…なんてそんなことを言い始めたら論点はいくらでも湧いてくる。
そこにあるお豆腐にどう包丁を入れるか、みたいな。
どう切り取るかによって断面も違ってくるし、切る目的も違えば豆腐の用途だって違う。
お豆腐だから丁寧に扱うけど、叩き潰すのも簡単だし。
ドキュメンタリーは、観終わったあとなんかスッキリしない感じが納得いかないこともあるけれど、ドキュメンタリーはそれでいいのかもしれないと初めて思った。
まるごと感じ取れるモヤモヤも、ラッカをめぐる状況を感受するという意味では相応しい感情のような気がした。
豆腐を目の前にして、豆腐を見て触れて、知ろうとすることがドキュメンタリーを観る体験そのものなんだろうと私なりに思った。
●MU
Yom&Quatuor ⅠⅩⅠ : illuminations(ラ・フォル・ジュルネ)
Yomさんは、クレズマー(東欧系ユダヤ)音楽から、ロック、ブルース、フォーク、カントリー、さらにクラシックに至るまで、多様なジャンルを縦横無尽に行き来するヴィルトゥオーゾ・クラリネット奏者。
Quatuor IXIはコンテンポラリー・ジャズを得意とする凄腕のストリング・カルテット。(LFJ HPより)
さいっこうに良かった。
久しぶりにぞわぞわして超気持ちよかった、ノンストップ45分。
終わった瞬間、音が消えていくけれど「あー、まだ拍手したくない」っていう間で全員の深呼吸が聞こえそうなくらい、みんな酔ってた。
できれば室内楽専用ホールで聴きたくはあったけれど(近い距離なのにスピーカーはいかがなものか?よく聞こえることより、いびつな場所で歪んで消えていくことのほうが良いことだと思うんだけど)、それを抜きにしても迫真の演奏で満足。
●TH
『白鳥の湖』(新国立劇場)
恥ずかしながら全幕生で初めて観た。4階席からだけど。
もはや伝統芸能、観ておくべきものだと思うし、心から観てよかったと思った。
しかしスポーツ観戦しにいったのと同じ気分だった。
何かこう、生で見るものに対して自分のなかでこれが好きだっていう、琴線に触れるっていう感じの種類の何かがあるんだろうなと考える。
それが何かはっきりしないし、あまり限定して視野を狭めてしまうのもどうかと思うのでそこまで真剣に考えてはいないけれど、何か好きなものルールはあるみたい?
●MO
『君の名前で僕を呼んで』
油断してた。
GW最終日、カリテで狙った時間がまさかの満席。
仕方なく武蔵野館へ移動したけど、それでも最前列。
武蔵野館の最前列は想像以上にしんどかった。
スピーカー激近、スクリーン激近の上に結構上目、首死亡。
すごく良くまとまってるぽい作品だったからこそ、引きで観たかった。
例えば、主役の二人がゲイじゃなかったらどう感じただろう?
マイノリティな存在に感情移入することで、より人間の本質的な部分がクリアに感じ取れたりするのだろうか。
なんにしてもお父さんのセリフ、個々人が自分の感覚に敏感になることや自分の意見をはっきり持つことを大切にしなさいって、
とても現代的な話だなぁと思った。
そう思うと、時代設定がわざわざ少し前のことになっているのがなんでだろう?という感じになるのだけれども。
いろんな見方はあるみたいだし謎解きをしたところで面白さが変わるものでもない気がするけれど、
とりあえずDVDで見直そう。
●FA
collection PRIVEE?のワンピース
イタリアのバッグや靴のブランド、collection PRIVEE?というブランドの、超シンプルな黒リネンのワンピース。
自分ではかつて買ったことない値段の服を買ってしまった。
肩出しで深いスリットの入ったものだけれどエロすぎず、出す部分隠す部分が絶妙に自分の身体に合っていて、
リネンの素材感もきちんと出る形でとても素敵。
試着室で値段見てのけぞったけど、頑張ったら買えないことない…
コートにこの値段だったら面白くないけど、リネンのだたのワンピースでこれは強気で好い。
これ買ったとて地球が滅びるわけでもないし、とか、アート作品買ったと思うにする、とか、もっと高い服買ってた友人を頭に思い浮かべながらどうしようもない言い訳して数日たったのでもういよいよ買った。
こわいこわい。
当たり前に良いものは高いけど、ちゃんと高いもの買えるようになりたい。
自分もちゃんとお金払ってもらえるようにならなきゃだからね。
そういって、節約ご飯になるんだけども。