2016年6月10日金曜日

R.I.P.



大学院に入ったころから5年ほど美術モデルとして伺っていて、
母のようにしたっていた彫刻家さん。

昨年末亡くなられていたことを、数日前に知りました。



世話焼きで、いつも私の身体を気遣ってくれて、ご飯を作っては持たせてくれました。

毎回欠かさず焼いて持たせてくれたケーキは、中身当て材料当てクイズをするのが恒例になっていました。


3時間くらいのモデルの時間、本当にいろんな話をしました。

好きなアート作品、音楽、映画、舞台、本、ダンス、歌舞伎、ファッション、海外旅行、植物や動物、料理、友人、家族、仕事。
歌舞伎座に初めて連れて行ってもらったり、フレンチ御馳走してくれたり。
私のダンスは欠かさず観に来てくれて、そのあとのバイトの時間ではガッツリと感想やアドバイスをもらいました。

他人の心配ばっかりしている人で、自分のことは二の次だった人。
とにかく何でも自分でやってしまう人で、料理やDIYなんてお手の物。

最後に会ったのは1年前、連絡をとったのが去年の夏のおわり。
体調があんまり良くない、というのは聞いていたけれど、まさか。
多分50代だったはず。
彼女のお母様が90歳近くで健在で、「こりゃ私も長生きするわー!」って言っていたのに。


彫塑で人体を作っていました。

あーでもないこーでもないと粘土をくっつけては削ってはしながら、
「まぁ今後の課題ということで!」というのが口癖でした。


もっと話したかった。
なにより、もっとダンス見てほしかったなぁ

それから、課題は?、課題はどうなるの。


やりたいこと、行きたいところ、観たいもの聴きたいものがいっぱいいっぱいある好奇心の塊のような人で、これからどういう作品を作っていきたいかもよく話してくれた。

そんな彼女が、実際どうだったのか分からないけれど、自分の命の時間とどう折り合いをつけたのか想像するだけで胸が苦しくなる。



亡くなっていたことを知ってから数日。

きっと彼女のことだから、気を遣って周囲を心配させないよう連絡がなかったのだろうなぁと、ぼんやり思っていたけれど、
やっぱり、日を追うごとふつふつと悲しみが湧いてきて飲み込まれる。

お笑い芸人のトーク映像をずーっと見ている。
今日冷静になって考えたけど、ちょっと自分おかしい。

それで、なんの弔いにもならないけれど、書いてみようと思って、


あなたの気遣いや優しさに感謝しています。
もっとあなたといろんな話をしたかった。

ご冥福をお祈りします。

いままで本当にありがとうございました。


*****


最後のメールは、私の食事の誘いに対して、今は少し時間がないからまた今度ね、って。
きっとそのうち、元気になってまた会えるようになるだろうと思っていたから、のんびり待っていたのに。

いなくなっちゃった。


生きているということは、こんなにも儚く、こんなにもあっさり通り過ぎていくものなのでしょうか。

…そんなことはないよ、と思いながら。

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