2013年2月2日土曜日

"Danses de travers"

昨日修論の口頭試問も無事終わり、今から実家へ帰るためにバスに乗っている。

東京駅八重洲口から出発して東名入るまで、丸の内や霞が関辺りの風景を車窓から眺めるのはいつも楽しい。こんなところ普段では来ることもないし、ちょっとだけ東京観光気分を味わえる。大きな建物がたくさん並んでいるのだけど、繁華街のような猥雑さがなくて荘厳な感じなのです。
前にこの辺りを車に乗せてもらって走っていたとき、ダンスしてる友人が「小さい頃は、自分も大人になったらこういう所でOLになって働くと思ってたのに」とぼそり言っていたのを思い出す。

幼稚園の時分の私は、将来の夢は?と訊かれたときには「お医者さん、弁護士、総理大臣、先生…」と知り得る限りの職業を羅列して答えていた。
昔から嘘や隠し事は下手だけど、周りが良い気分になってくれて自分の中に矛盾さえなければ、ホラや嘘も芝居じみたこともいくらでも言える。「お花屋さんになりたいのっ!」みたいな可愛い自己主張がなかった代わりに「何にでもなれる」という私の将来の夢は、子供の可能性を全面的に押し出した模範回答のような気がして我ながら気持ち悪い子供だったとふと思い出す。

少し前に高校の友人と話していて、「まっきーは誰よりも普通に就職して普通に働くと思ってた」と言われた。一体私をどういう人だと思ってたわけ?と訊き返したかったけど、だからって今どういう人なのかも分からないので思い留まった。
さて、お仕事探さなきゃな。


足柄SA。
しかしめちゃくちゃ暖かいな今日は。
修士制作でばたばたしてた間に冬が終わってる。
雲が物凄いスピードで流れていく。


修士制作[slur]はいろんな人に見てもらう事ができて、たくさんの感想や意見をもらう事ができた。

昨日の口頭試問では、審査の先生方がたくさん言葉を掛けてくれたのが嬉しかった。松田さんが作品にすごく興味を持ってくれたのが嬉しかったし、香山さんの精神分析的なつっこみは自分でも思ってもいないことで驚いた。宇野さんはまさしく総括という感じで、見てくれた人の感想をまさに一言にまとめてくれた。
それから、去年勅使川原さんに言われた一言が結局この作品と一年のモチベーションだったことを話して、口頭試問は終わった。

褒めてもらうことや興味を持ってもらったこともいろいろあって感謝している。けれど、それより見てくれた人の作品に対する印象みたいなものは、それぞれ伝えてくれる言葉は違うけれど言わんとする根本が割と似通っていたことが次への課題になった。それは私自身自覚していた問題点でもあった。
昔は思いもしない、突拍子もない作品の感想をもらえるのが嬉しくて楽しかったけれど、それにいちいち振り回されていたこともあった。それに比べると、今は次に目指すべきものが割と鮮明になっている気がしている。

すごくざっくりまとめると、お行儀の良い作品だったから、次はもっとやりたいことというか、えぐさというか、特異性というか、そういうものを追求してみたら?みたいなこと。
正直言えば、やっとここまで来たか、みたいな感じ。先にそういうものに飛びつきたくなくて足踏みしてた3年は無駄じゃなかったのかな。

かと言って、今すでに次なる策が浮かんでるわけでもないけれど。ただ、年末くらいに、「次は最高に阿呆な作品を作ろう」ということが頭をよぎった。多分ストレスに浮かされてたんだろうけど。
まぁやるしかないというわけだ。



さて、あとまだ1時間くらいあるのか。


"Danses de travers"ってのは、Satieのピアノ曲の名前。
今月、今働いてるホールでこれとgymnopedie生演奏して貰って踊ることになったんだ。楽しみ。

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